「ちゃんとしなさい!」ここ最近、やたらと口にするこの言葉。相手はまだ一歳半の子ども、イヤイヤもいたずらも成長と頭ではわかっているのに…。そういう私こそ「ちゃんと」息子を育てられているのか?そんな煮詰まった私の相談に、保育園の先生が笑顔で答えてくれた。「子育てに正解はないって言いますが、裏を返せば間違いもないってことなんですよ」。その言葉に、ハッと気が付く。
なるほど、私のいう「ちゃんと」とは、「正しさ」を求めるものだったのか。正しい子育て、正しい育ち方。それは世間一般でいう「正解」の枠にはめようとするもので、個性を尊重する「らしさ」とは対局にある言葉だ。
そもそも私自身が「ちゃんと」できないタイプなのに(笑)子育てのことになると、つい正しさにこだわってしまう理由…実は心当たりがある。高齢な上に、シングルマザーである自分に劣等感があるのだ。息子が少しでも周りと違う言動をしてしまったら、親子共々はみ出しものの烙印を押されるかも…。そんな不安を漠然と抱えている。でも、本当にそうだろうか?ママ友も保育園もみな温かく、そんな雰囲気は微塵もない。これでは自分で自分を追い込み、息子はそのとばっちりを受けているだけではないか。
ちょこちょこ走るようになってすっかり目が離せません。
「どっちの道が正解?」…じゃなく、「どっちに進もうか?」
ちょっと見方を変えてみよう。「ちゃんと」という世間的「正しさ」は、生きていく上で避けては通れない、身に着けるべきスキルのようなもの。でも私は「らしさ」、つまり個性的な性格によって仲間を得られ、幸せな人生を送ることができている。その結果、忙しくても面倒くさがりでも敏感肌でも、1本で「ちゃんと」スキンケアできる『メディプラスゲル』が生まれたのだ。商品のコンセプトのように、“ちゃんと”、でも、自分“らしく”生きる。それを息子と一緒に考えること、それが子育てだとしたら?なんだかワクワク、楽しそうだ。これこそが私「らしい」子育てにあたるだろう。
あれから数日、まずは息子への呼びかけを「ちゃんとしなさい!」から「さぁ、〇〇できるかな?」に変えてみた。息子には大きな変化はないが、その目に映る私は、笑顔に変わっている。それが、小さいけれど大きな変化につながる入り口かもしれない。

PROFILE
株式会社メディプラス代表取締役 社長 恒吉 明美
1973年生まれ。自らの肌悩み解決のため、皮膚科勤務を経てメディプラスゲルを開発。
近年、肌と心の関係性に着目し、ストレスオフ活動(オフ活)を推進中。